突然ですが皆さんはイヤモニという物をご存じでしょうか?
音楽番組やアーティストのライブを見ていると耳にイヤホンをして演奏したりダンスしたり歌ったりしているところを見たことがある方も多いと思いますが、まさにあのイヤホンが=イヤーモニター
いわゆるイヤモニという物です。

でもあれって要するにイヤホンでしょ?なんでもいいんじゃない?
そもそも一般人に必要なの??
という声が聞こえてきますがこれがめちゃくちゃちゃんと考えられてるんですよ…
今この記事を読めば
- 「ライブで自分の声が聴こえない…」
- 「音が回ってハウリングばっかり…」
- 「クリックや同期を導入したいけどモニター環境が不安…」
そのお悩み、イヤモニの導入で一発解決できるかもしれませんよ!
イヤーモニター(イヤモニ)って何?
イヤモニとは「イヤーモニター」の略称で、演奏中に自分のパートやバンド全体の音を耳元でモニタリングするためのシステムです。イヤホンタイプのモニターで、耳栓のように耳にフィットし、外音を遮断しつつ、正確な音をダイレクトに届けてくれるのが特徴。
ライブハウスにある「ウェッジモニター(足元スピーカー)」は、スピーカーから音が出るため、周囲の環境によって聴こえ方が変わってしまいがちですが、イヤモニなら個人ごとに最適なバランスで音が聴こえるようになります。
ライブやスタジオ練習をした事がある方なら一度は経験した事があるかもしれませんが、何か特定の音(楽器)の音を大きくすると他が聞こえなくなるor全く聞こえないという事はありませんでしたか?
リハーサルスタジオやステージ上は大きな音で溢れているため、スピーカーからの音だけでは演奏者自身が自分の音や他の音を正確に聞き取ることが難しい場合があります。
イヤモニを使うことで、周囲の騒音に邪魔されることなく、自分にとって最適な音響環境を作り出すことができるのです。

ドラムのキックの音が聞こえない。。。もう一人のギターの音が聞こえない。。。
ボーカルが聞こえない。。。。もっとギターの音あげてって言われてるけどこれ以上音量出せない…
というか自分の音もよく聞こえない….え?俺今ギター弾けてる??? っていう事多々ある気がします。
実際僕がそうです笑
バンドでイヤモニを導入するメリットとは?
「イヤモニって必要なの?」「導入って大変そう…」と考えている方、ちょっと待ってください。
イヤモニ導入によって得られる恩恵は、想像以上に大きいんです。
🎧 1. モニター音の精度が劇的に向上
自分の声や楽器の音がはっきり聴こえるようになり、ピッチやリズムの安定性が格段にアップします。特にボーカルは、ピッチのズレや音量のブレが激減するので、ライブの完成度が段違いになります。
🎧 2. 外音からの影響を受けにくい
イヤモニは耳栓のように耳を密閉するので、周囲の雑音や反響に惑わされません。音響が不安定なライブハウスや野外ステージでも、安定したモニター環境をキープできます。
🎧 3. ハウリングのリスクが減少
ウェッジモニターは大音量で音を返す必要があるため、マイクが拾ってハウリングするリスクが高いです。一方、イヤモニはイヤホン内だけで音が完結するため、モニター音量を下げつつ明瞭にモニターできるのです。
🎧 4. 個別のミックスが可能
各メンバーごとに違うミックスバランス(例:ボーカル大きめ、クリック多め)を作ることができるため、パフォーマンスのクオリティが格段に向上します。
イヤモニをして耳を守る
個人的にここが一番大切だなと思う所なのですが
イヤモニには爆音環境から耳を守るという非常に大切な役割があります。
ライブを見た後やリハーサルスタジオで結構な音量で練習したりした後しばらく耳鳴りが収まらない経験をした事は無いでしょうか?
これは鼓膜が耐えられる音量を超えて、長時間大音量にさらされた場合に起こるもので、医学的には「音響外傷」と呼ばれます。
要するに耳の怪我です。
この音響外傷を無視して ロックは爆音だぜ!!
とか言うて繰り返しているといつの間にか可聴域が狭くなったり、難聴と呼ばれる事柄に繋がる可能性があるので十分に注意が必要です!!
ぶっちゃけ耳を守るだけなら耳栓をするだけでも十分に効果があるのですが、遮音性や装着感がしっかりしたイヤモニの方が安心感があります。
イヤーモニターを使用してしっかりと適切な音量で音を聴く事が音響外傷を防ぐ事が出来る方法になるので是非とも装着をおすすめします!
◆ イヤモニ導入に必要な機材一覧

じゃあどうやってイヤモニをバンドで使うの?
そうですよね、ここが結構難しいようで簡単なお話になってきます。
イヤモニの運用の仕方としてはワイヤード方式(有線接続)かワイヤレス接続(無線接続)の2種類になってきます。
▸ ワイヤレス方式(推奨)
- トランスミッター(送信機) : クリックや動機などを送信する機材です。
- ボディパックレシーバー(受信機) : トランスミッターからの音を受信する機材です。ワイヤレスの場合はここにイヤモニを接続します
- インイヤーモニターイヤホン(IEM)
- ギター、ベース、ボーカル、ドラムの4人構成バンドですと動き回る前三人はワイヤレス
- どっしり構えて基本的にドラム前から動かないドラムさんはリハーサルスタジオやPAさんのミキサーから直接自前のアナログミキサーに繋いでそこから音を調整するってことも可能です。
▸ 有線方式
- ヘッドホンアンプ : ミキサー卓などから出力された信号を受け取る為
- インイヤーモニターイヤホン : これは有線/無線関係無しに必ず必要になってきます。
一見、ワイヤードの方が機材少なくていいやん!ってなりますよね
確かにワイヤードは用意する機材も少なく済む場合が多いので、初期投資が少なく済む場合があるということが大きなメリットですが、ワイヤードのデメリットとして動きが制限されてしまいます。
ワイヤードでモニタリングしながらアチラコチラに動き回った日にゃそこはもう大お祭り大会のように
絡まったケーブルでひっちゃかめっちゃか間違いなしです笑
その点無線接続は初期投資こそ少々高くつきますが、後々のバンド活動等々で多いに役立ってくれること間違いなしです!!

2. ミキサー(ミキシングコンソール)
- 各メンバー用にAUX出力が必要(AUXの数 = メンバー数が理想)
- デジタルミキサーだとスマホやタブレットで個別にミックス調整可能
これはリハーサルスタジオやライブハウスのPA卓から音を受け取る為に必要になる場合があります。ワイヤレスの場合直接トランスミッターを接続してモニターすることも可能な機種もあります
3. 分配機器/オーディオインターフェース(必要に応じて)
- ライン信号分配器(スプリッター)
- DIボックス(インスト機材からの信号をラインレベルに変換)
- オーディオインターフェース(宅録・リハ録音・DAWとの連携用)
DAW等で同期を流しながらライブをする場合は上記の三点が必要になってきます。
DIはリハーサルスタジオ、ライブハウスには必ずありますが、できれば自分専用のDIも持っていると機材不安が減って安心して演奏できます!
4. ケーブル・アクセサリ
- バランスXLRケーブル(ミキサー〜送信機など)
- パワーサプライ(機材電源用)
- ラックケース(機材一式収納・運搬用)
- ケーブルタイ・収納バッグなど
上記がバンド等々でイヤモニを使用する場合に必要な機材です。
初期投資こそ掛かってしまいますが、揃えてしまえば意外となんてことないと感じてしまうのが
音楽機材の怖いところです笑
◆ 実際のセットアップ手順(バンドでの運用例)
イヤモニを運用するにあたっての順番としてはこのようになっています。

ステップ①:各メンバーが自分のイヤモニと受信機を用意
まずは全員が自分専用のイヤモニ環境を持ちます。ボーカルだけでもOKですが、同期やクリックを使うなら全員導入が理想です。
ステップ②:ミキサーからモニター用出力を分ける
ミキサーのAUX OUTやMONITOR OUTから、各メンバーに向けて音を出力します。この時、メンバーごとに異なるミックスを用意するとより快適に。
(※リハーサルスタジオではこの異なるミックスを用意することが可能ですが、ライブハウスによっては断られるケースもあります。事前にしっかり確認して当日トラブルがないように注意しましょう!)
ステップ③:ワイヤレス or 有線経由でイヤモニへ接続
受け取った音を、ワイヤレスパックまたは有線でイヤモニへ接続。ステージ上でのモニターはこれで完了!
ステップ④:リハでしっかり音量とバランス調整
本番前に必ずリハで音のバランス、クリックの音量、トーンなどを確認しましょう。耳への負担を防ぐためにも、最初は音量控えめが◎。
◆ 注意点&導入のコツ
- 🎧 両耳装着を基本にする:片耳だけだと定位がズレて危険。両耳でしっかり聴きましょう。
- 🧠 イヤモニ慣れには時間がかかる:最初は違和感があるかもしれませんが、徐々に慣れてきます。
- 🔋 ワイヤレスの電池管理は超重要:ライブ直前に電池切れ…なんてことがないように、予備バッテリー常備推奨!
- 🛠️ リハーサルで必ずチェック:ライブ当日にいきなり使うのはNG。事前にしっかりセッティングしておきましょう。
イヤモニの導入は、確かに最初は手間も費用もかかります。
でも、それ以上に得られるリターンが大きすぎる。
- 音の聴こえ方が変わり
- ライブの質が向上
- メンバーの一体感が増す!!
- なによりパフォーマンスに自信が持てる!!
イヤモニは“自分の音に責任を持つ”ための最強ツールです。

おすすめのイヤーモニターとシステム メリット・デメリット
ここでは個人的に今まで使ってきたイヤモニでおすすめしたい機種などをピックアップ!!
1. Shure SE846
Shure SE846は、ステージ用のインイヤーモニター(IEM)としても非常に人気の高い高性能イヤホンです。プロのミュージシャンやエンジニアからも信頼されており、イヤモニとして非常に心強い存在です!
✅ SE846をイヤモニとして使うメリット
1. 4基の高性能バランスド・アーマチュアドライバー
- 高域・中域・低域を明瞭に再現し、ライブやレコーディング時の音のバランス確認に最適。
- 特にサブウーファー技術による低域の再現性が評価されています。
2. カスタマイズ可能な音質(ノズル交換式)
- 付属している3種類のノズルフィルター(バランス・ウォーム・ブライト)により、自分のモニター用途や楽器に合わせた音質チューニングが可能。
3. 高遮音性(最大37dBのパッシブノイズキャンセリング)
- ライブステージやリハーサルでの外音の遮断能力が高く、モニター音に集中できる。
4. 着脱式MMCXケーブル対応
- ケーブル断線時でも交換可能。カスタムケーブルとの互換性もあり、ワイヤレス化(Bluetooth MMCXアダプター)も可能。
5. 堅牢な作りと信頼性
- Shureならではの耐久性と信頼性。過酷なステージ環境でも安心して使用可能。
⚠️ SE846をイヤモニとして使うデメリット
1. 価格が非常に高い(10万円以上)
- 他のプロ用IEMに比べても高価。コストパフォーマンスを重視する人には敷居が高い。
2. やや大型で装着感に個人差あり
- シェル(本体)が比較的大きく、耳の小さい人にはフィットしづらい場合もある。
3. モニター用途としては過剰な音質?
- 音楽鑑賞にも適した「リスニング寄り」のチューニングのため、モニターとしてはフラットさに欠けると感じる人もいる。
4. MMCXコネクタの耐久性に注意
- 着脱式とはいえ、MMCX端子の摩耗や接触不良が起きやすいという声もあります。
🎤 SE846はこんな人におすすめ
- ステージ上で細部まで正確な音を聴き取りたいミュージシャン(ボーカリスト、ギタリスト、ドラマー等)
- 高い遮音性と音質を両立させたいプロフェッショナルなサウンドエンジニア
- IEMに対して音楽鑑賞用としても兼用したいオーディオ好き
2. Westone Audio AM-PRO-X20
🎧 AM PRO X20の特長とメリット
✅ デュアル・バランスド・アーマチュア・ドライバー搭載
低域と高域にそれぞれ1基ずつのBAドライバーを搭載し、パッシブクロスオーバーにより、パワフルな低音とクリアな高音を実現しています。
✅ アンビエント設計で自然な外音取り込み
外部の音を自然に取り入れるアンビエント設計により、観客の歓声やバンドメンバーの演奏などを聴きながらパフォーマンスが可能です。
✅ 高いフィット感と遮音性
人間工学に基づいた設計と、STAR™シリコンイヤーチップおよびTRUE-FIT™フォームイヤーチップの2種類(各5サイズ)により、優れた装着感と遮音性を提供します。
✅ 着脱式T2™ケーブル採用
耐久性と音質に優れたEstron製T2™コネクターを採用し、ケーブルの着脱が可能です。
⚠️ AM PRO X20の注意点とデメリット
❌ 外音取り込みの調整不可
アンビエント設計により外部の音を取り込むことができますが、取り込み量の調整はできません。
❌ 携帯性にやや難あり
ケーブルが細く絡まりやすいため、収納や取り扱いに注意が必要です。
3. SENNHEISER IE100PRO
SENNHEISER IE 100 PROは、プロミュージシャンやエンジニアにも使用されるイヤモニター(IEM)の定番モデルの一つです。価格帯を考慮すると非常にバランスがよく、ライブやスタジオ、普段の練習など幅広い場面で使用できます。
✅ メリット
1. バランスの取れた自然な音質
- フラットで原音忠実なサウンド。
- 極端な低音や高音の強調がなく、モニターに最適。
- 特にボーカルやギターの確認に向いています。
2. 装着感の良さ・疲れにくさ
- 耳にしっかりフィットする形状で、長時間使用しても負担が少ない。
- 片耳で約5gと軽量。
3. 遮音性が高い(最大26dB程度)
- ステージ上でも周囲の騒音をしっかり遮断。
- 演奏に集中しやすく、耳を守る効果も。
4. リケーブル対応(IE PROシリーズ専用コネクタ)
- ケーブル断線時に交換可能。
- ワイヤレス化(Bluetoothケーブル使用)も可能。
5. 価格に対する品質の高さ
- 約1万円台で購入可能ながら、プロ品質のサウンド。
- 耐久性や信頼性も高く、ツアー用としても人気。
❌ デメリット
1. 音の迫力・低音の量感は控えめ
- 楽しむためのリスニング用途にはやや物足りないと感じる人も。
- EDMやヒップホップなど低音重視の人には不向きかも。
2. ケーブルが専用端子(IE PROコネクタ)
- 一般的なMMCXや2ピンではないため、交換ケーブルの選択肢が少ない。
- カスタマイズ性が低い。
3. カスタムIEMに比べると遮音性・装着安定感はやや劣る
- 市販のユニバーサルタイプなので、耳の形によってはフィット感に差が出る。
- 激しい動きをするドラマーやダンサーには不安定になることも。
4. ドライバー構成がシングル(1DD)
- マルチBAモデルに比べると解像度や分離感ではやや劣る。
- ただし、1DDゆえの自然な音のつながりが魅力でもあります。
🎯 こんな人におすすめ
- コスパの高いプロ仕様イヤモニが欲しい人
- ボーカル・ギター中心でステージやリハーサルに使いたい人
- 初めての本格イヤモニを探している人
- 軽くて快適な装着感を重視したい人
4. SHURE ( シュア ) / SE215-CL-A
SHURE SE215-CL-Aは、エントリー〜中級クラスのインイヤーモニターとして非常に人気の高いモデルです。特にステージ用途やバンド練習、配信にも多く使われています。SHURE SE215-CL-Aは、エントリー〜中級クラスのインイヤーモニターとして非常に人気の高いモデルです。特にステージ用途やバンド練習、配信にも多く使われています。
✅ メリット
1. 高い遮音性(最大37dB)
- SHURE独自の「Sound Isolating™」デザインにより、ライブの大音量環境でもしっかりと外音を遮断。
- ステージやリハーサルでモニターに集中しやすい。
2. 低音に厚みがあるサウンドチューニング
- ダイナミック型ドライバー1基ながら、しっかりした低音再生。
- ロック、ポップス、バンド演奏に最適。
- ボーカルやベース、ドラムのプレイヤーに好まれる音質傾向。
3. リケーブル対応(MMCXコネクター)
- ケーブルが着脱式で、断線時にも交換可能。
- ワイヤレス(Bluetoothケーブル)や高音質ケーブルへのアップグレードも可能。
4. 丈夫で信頼性のある構造
- SHUREはツアーユースに耐える耐久性で評価が高い。
- シンプルで実用的な作り。
5. 価格が手ごろ(1万円前後)
- 初めてのイヤモニとして導入しやすく、練習・本番両用にできる。
❌ デメリット
1. 解像度や分離感はやや控えめ
- シングルドライバーなので、マルチドライバー機種に比べると音の細かさや分離は劣る。
- DTMや精密なミキシング用途には向かない。
2. 中高音の伸びがやや弱い
- 高域が少し丸く感じられることがあり、ボーカルの細かいニュアンスまで聴きたい人には不満が出る可能性あり。
3. 遮音性が高いが圧迫感を感じることも
- フィット感がしっかりしている分、慣れるまでは耳への圧迫感を感じる人も。
- フォームイヤーチップの装着が合わない場合は、別売のチップが必要になることも。
4. ケーブルがやや太く取り回しにくい
- 耐久性重視のケーブルは頑丈だが、やや硬めで扱いにくいと感じる人も。
🎯 こんな人におすすめ
- 初めてのイヤモニを探している人(コスパ重視)
- ライブやバンド練習で使用するボーカル・ベーシスト・ギタリスト
- 外音をしっかり遮断したい人
- 頑丈で実用的なモデルを求める人
まとめ
イヤーモニターは音楽制作やライブパフォーマンスで正確な音を聴くために非常に重要なアイテムです。自分の用途に合った製品を選ぶことが大切で、音質、快適性、遮音性、価格などを総合的に考慮する必要があります。
上記のイヤーモニターはそれぞれ特長がありますが、音質のクオリティや長時間使用する際の快適さを重視するなら、Shure SE846やWestone Audio AM-PRO-X20が特におすすめです。
一方、コストを抑えつつも高い音質を求めるのであれば、SENNHEISER IE100PROやSHURE SE215-CL-Aも選択肢として最適です!
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